いつも幕間にいる

舞台やドラマの感想など

2.5次元が見せてくれるもの

2.5次元の舞台を初めて観たのは、弱虫ペダルの舞台、いわゆる「ペダステ」。

私は原作の漫画が好きで、その中でも一推しは御堂筋翔。彼が表紙のコミックスを見て子供が泣き出した、みたいな噂も出るぐらいの、見た目も中身も強烈なキャラクター。漫画やアニメだからこそ表現できる、と思っていたし、それこそが彼の魅力であると思っていた。

乱暴な言葉で言うと「現実には存在しない」だから「人が演じるなんて無理」。そう思いながら、どんなふうな演出で、演技で、あのキャラクターに近づけるんだろう、なんて興味もあってチケットの抽選申し込みをした。

2.5の人気を実感してなかった頃。人気キャラクターの荒北靖友を演じていたのが、2.5次元界のスター、鈴木拡樹さんであることも(彼の存在すら)知らなくて、チケットの倍率がどれほどかも知らなかった。

ビギナーズラックで当選したチケットを手に、初めて経験した2.5次元の舞台。

そこで私が出会ったのは、まぎれもない御堂筋翔。

舞台の上に、御堂筋翔は確かに存在していた。

 

村田充さんという俳優さんを知り、彼のブログを読みツイッター(当時はされていた)をフォローし、ストイックな役作りへの取り組みを知った。しかも彼は公演の間(だったかな)の期間限定で、ほぼ御堂筋になりきったツイッターアカウントを持っていて、彼のような言葉で世界を見て、言葉を綴っていた。

2.5次元って、私にとっては2次元からスタートするものだったけど、俳優さんにとっては、3次元からスタートするものなんだな、とわかった。近付くように努力されているのは、ヘアメイクや衣装だけでは勿論なく、台詞まわしや立ち方や、そんなことだけでもない。

充さんがとりわけそういう方だというのもあるんだな、と、そのまま彼を追いかけて観た舞台(DOGSや極上文學)で、私は知ることになる。

 

 

あれから数年。

充さんは休養に入られてしまったけれど(直前の「メサイア」を観ることができてよかった…)私は今も2.5次元の魅力に惹きつけられ、通っている。

 

どれぐらいキャラクターに近付くのか、俳優さんの努力を見るのはとても面白い。そして、近付くだけでなく「引き寄せる」人がいることも知った。

たとえばペダステでは、泉田を演じる河原田さんや、手嶋を演じる鯨井さん。あの泉田はもう「ペダステのアブ」だし、あの手嶋さんは「ペダステの手嶋さん」だと私は思う。原作より舞台の手嶋さんの方が好き、と言って、おいおい、わかるけどって友人に言われたこともある(笑)わかるんかい。

そんなことを思わせてくれる俳優さんも多い。

2次元での魅力に改めて気付くっていうこともある。最近では、あんステで橋本祥平くんが演じるレオくんがあまりにも魅力的で、Knightsの復刻ガチャを回してしまった。私の推しユニットは違うのに!

 

ペダステの話に戻ると、少し前に、御堂筋翔のキャストが村田充さんから林野健志さんに代わった。前述した思い出があまりにも重すぎて、観るときは緊張した。林野さんには失礼ながら、やっぱり比べてしまったところもある。

でも、最新作で私はとんでもない体験をしてしまった。そのことはまた別の記事で。

 

2.5次元、楽しいです。